本記事では、2026年上半期の交通広告市場における出稿動向をまとめたレポートの内容をご紹介します。本レポートは、首都圏の主要鉄道媒体(JR東日本、東京メトロ、東急、小田急、京王、西武、東武)を対象とした広告出稿データをもとに、交通広告の活用状況を整理したものです。全ての媒体社を網羅しているわけではありませんが、主要鉄道媒体をカバーしている点から、本データを首都圏交通広告市場と捉えて分析を行います。その中で、業種をはじめ、広告主や媒体ごとの出稿傾向はどのようになっているのか。本記事ではレポートの主なポイントを順に解説します。

●首都圏交通広告市場の概況
2026年上半期の首都圏交通広告市場における広告出稿額は466億円となり、前年同期比102.8%と堅調に推移しました。商品分類別では、「雑件」が全体の33%を占め、次いで「観光・娯楽」が25%となり、この2分類で半数を占めています。「観光・娯楽」には、出稿額の多い各電鉄(例:JR東日本)および電鉄グループ会社が含まれているため、比率が高くなったと考えられます。また、昨年までの傾向とほぼ同様の結果となりましたが、上位2分類の差は例年より若干広がる結果となりました。

●「雑件」の出稿動向
商品分類の中で最も構成比が高かった「雑件」の内訳を見ると、「人材派遣・人材斡旋会社」「インターネット情報サイト」が上位を占めました。また、「その他情報通信サービス」や「その他対人サービス」も前年から増加していますが、これらのカテゴリにはAI開発やオンライン診療サービス、フードデリバリーサービスなどが含まれます。近年の社会・生活環境の変化を反映した業種の出稿が目立っており、社会や生活者を取り巻く環境の変化が交通広告市場にも表れていると考えられます。

●広告主の出稿状況
広告主別の出稿ランキングでは、リクルートホールディングス、サントリーホールディングス、マイナビが上位となりました。そのほか、レバレジーズやキリンビール、アサヒビール、パナソニック、Amazon Japanなどさまざまな業種の企業がランクインしている中、ジェンスパーク(AIワークスペース)が全体で7位に入った点にも注目できます。業種を問わず幅広い広告主が交通広告を活用していることがうかがえる結果となりました。

●媒体別・月別の出稿傾向
媒体別の構成比を見ると、JR東日本が41%、東京メトロが30%、私鉄(主要5電鉄)が29%となりました。輸送人員におおよそ比例した構成となっており、売上高の変動があっても比率はほぼ変わっていません。また、月別では3月の出稿額が最も高く、6月も比較的高い水準となっています。新年度や春の需要期、夏のボーナス商戦を見据えた広告展開が活発であったことがうかがえ、交通広告が生活者の移動量や季節需要に合わせて活用されていることが読み取れます。


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