2025年6月11日(水)~6月13日(金)、幕張メッセで開催された「デジタルサイネージジャパン(DSJ)2025」において、弊社マーケティング部の佐藤がセッションに登壇しました。日本版OOHメジャメント標準化検討準備委員会のメンバーとして、「日本のOOH広告市場の拡大を目指したメジャメント実現に向けての取り組み」と題したディスカッションで、これからのOOHについて語りました。
今回は、そのセッション内容や当日の様子について、佐藤に寄稿してもらいましたので、ご紹介いたします。

2025年6月12日デジタルサイネージジャパン2025 リポート
協立広告株式会社 マーケティング部 佐藤正洋
6月12日(木)。朝から太陽が照り付け、幕張特有の潮風も相まって6月とは思えない暑さを感じる。早めに会場に到着したため、登壇者控室に行く前、軽く展示ブースを回ってみることにした。会場内は当然のことながら、空調が効いており心地よい冷気を感じられる。が、気温とは違った“熱気”を会場から感じた。
デジタルサイネージは、技術の進化が著しく、また街・商業施設・鉄道・公共施設などあらゆるところに設置が進んでいることもあって、まさにその「勢い」が会場を“熱く”させているのだろう。
登壇者は私のほかに、日本版OOHメジャメント検討準備委員会から総合代理店の方2名、媒体社の方1名(モデレーター)がおり、計4名でのセッションだ。登壇者控室にて軽く打ち合わせをし、役割分担を確認した。振り返ると約2年、検討準備委員会にて共に日夜会議を繰り広げているメンバーなので、お互いの専門ジャンルや立場、間合いについては勝手知ったる状況だ。
ホールの混雑具合を鑑み、4人で早めにセッション会場へと移動する。ちょうど1つ前のセッションがクロージングトークを行っていたが、目算約100人は座れるであろう会場で立ち見も多数。セッションは入れ替え制のため、終了後空席となった会場に入りPCの準備などを行う。幸いにして私たちのセッションも、開始前にはおおむね満席、立ち見も複数名見られる状況となった。
セッションは主に5つの項目に分けて作られた資料を投影しながらの進行であった。5つの内容はおおよそ以下のとおり
・背景(日本のOOHを取り巻く環境と諸外国との違い等)
・メジャメントデータについて
・メジャメント実現のための「新団体」設立について
・メジャメント導入におけるメリット
・お知らせ
●背景整理
日本においてOOHに関するデータ整備は長年課題とされてきた。データ自体は国や都道府県、鉄道会社等が調べたもののほか、媒体社独自調査なども実施されているため、色々とある。しかし、それぞれが異なる定義・ルールで実施されており、媒体ごとの横比較が難しい状況にあった(正確には、現在も難しい状況にある)。それらの「整備」がコロナ禍において、より必然性を増すことになるのだが、それに対してすでに「整備」が済んでいる諸外国を比較してみると、日本のOOH市場の立ち直りの遅さが際立っている状況にある。
●メジャメントデータについて
そうした中、検討準備委員会において「どのようなデータを・どうやって整備するのか」、様々な議論がなされてきた。今もまさに、データベンダーと構築するデータ定義について議論を重ねている最中であるが、本セッションにおいてはそのプロセスについてグローバル基準に準拠しているという観点を含めて紹介を行った。
●新団体について
「新団体」については、公平・公正の観点から、また安定したデータ提供体制を構築するために、OOHメジャメントに関する新団体設立に向けて動いている旨説明がなされた。この点については別の形で改めて詳報したいと考えているが、より多くの業界団体関係各社が参画することが望ましいと考えており、その意味でもDSJという場で紹介できたことは大きな意味を持つだろう。
●メジャメント導入におけるメリットとは
多くのプレイヤーの参画という視点では、冒頭の背景整理で「なぜメジャメントを整備するのか」という確認は非常に大事な話だったわけだが、同時に「ではメジャメントが導入されるとどんなメリットがあるのか」という点もまた大きな注目点であろう。本セッションでは総合代理店・専門代理店・媒体社など様々な立場から考えられるメリットについて、それぞれ語り合うことで、OOH業界プレイヤー全般に対して関係すること、意義のあることである点を強調した。
●お知らせ
最後に今後の検討準備委員会の活動予定などを紹介し、約40分のセッションを終えた。会場は早くも次のセッションに向けた準備が始まるということで、登壇者で揃って会場外の通路に移動すると、いくつかの会社の方から名刺交換や詳細ヒアリング、意見交換などを求められた。会場の「熱さ」そのものを実感しつつ、OOHメジャメントへの期待・注目の高まりを感じた。
以上が、当日のセッションについてのリポートとなります。当社からは登壇した佐藤のほか、マーケティング部スタッフもいち来場者として幕張メッセに赴いていましたが、公式発表によるとDSJ3日間での来場者数は136,875人、昨年比+12,393人ということでした。会場の熱気はそうした人の多さからもうかがえるのではないでしょうか。今後も登壇有無にかかわらず、様々な業界情報について、当社HPでもご紹介していければと思います。
協立広告では、OOH媒体のデータだけでなく、交通機関・人の移動に関するデータから交通広告・屋外広告を検証しています。様々な切り口でデータ分析することで、広告主様に最適なプランニングをご提供しています。少しでも興味をお持ちいただいた方は遠慮なくお問合せフォームまでご連絡くださいませ。



